「もう、ノルマの数字を見るのが苦しい」 「断られるたびに自分が否定されたような気持ちになり、外回りに行くのが怖い」
20代の若手社員のなかには、配属された営業職で心身ともに疲弊し、「自分は営業に向いていないのではないか」と自問自答している方が非常に多いです。そして、その先の選択肢として「事務職」を思い描くのは、ごく自然な流れといえます。
しかし、いざ転職を考えようとすると、「20代で営業から逃げるのは甘えか?」「未経験から事務職になれるのか?」という不安が次々と湧いてくるはずです。
この記事では、営業に向いていないと感じる理由を整理し、未経験から事務職へのキャリアチェンジを成功させるための具体的な戦略を徹底的に解説します。
「営業に向いてない」は甘えではない。20代で気づくメリット
まず伝えたいのは、「営業に向いていない」と自覚することは決して甘えではなく、自分の適性を正しく理解するための重要なプロセスだということです。
営業職特有のストレス要因
営業職には、他の職種にはない特殊なストレスが集中しています。
- 常に数値目標(ノルマ)に追われる
- 顧客からの拒絶やクレームを直接受ける
- 相手の顔色を伺いながら交渉する精神的疲労
- 外回りや出張による体力的な消耗
これらが「自分の性格や価値観に合わない」と感じるなら、無理に続けて心を病んでしまう前に、環境を変える判断をすることは賢明な選択です。20代であれば、まだ新しい職種のスキルを吸収するスピードも早く、企業側も「ポテンシャル」を評価してくれるため、やり直しが十分に効きます。
事務職への転職、20代未経験でも可能なのか?
結論から言えば、20代であれば未経験から事務職への転職は十分に可能です。ただし、事務職は非常に人気が高く、倍率が高いという現実は知っておかなければなりません。
事務職の採用で見られているポイント
企業が未経験の20代を事務職として採用する際、重視するのは以下の3点です。
- 基本的なビジネスマナー: 敬語、電話応対、来客対応などが即戦力として期待できるか。
- 正確性とスピード: 入力作業や書類作成において、ミスなくスピーディーにこなせるか。
- サポート力: 「自分が主役」ではなく「誰かを支えること」に喜びを感じられるか。
実は、これらはすべて営業職で培ってきたスキルのなかに含まれています。
営業経験は「事務職」で最強の武器になる
「営業しかやってこなかったから、事務に活かせるスキルなんてない」と思い込んでいませんか?それは大きな間違いです。未経験の事務志望者のなかで、営業経験者は非常に高く評価される傾向にあります。
事務職で重宝される「営業出身者の強み」
| 営業で培ったスキル | 事務職での活かし方 |
| コミュニケーション能力 | 社内外との調整、電話応対、来客時のスムーズな案内。 |
| 数字・納期への意識 | 締め切りを厳守する、正確なデータ入力、コスト意識。 |
| 提案力・改善意欲 | 「もっと効率的な管理方法がある」という業務改善の視点。 |
| ストレス耐性 | 突発的なトラブルや急な依頼にも動じず対応できる。 |
特に、営業担当者の気持ちが分かる事務員は、社内での信頼が非常に厚くなります。「言われる前に資料を用意する」「先回りして確認を入れる」といった営業経験者ならではの気配りは、事務職における最高の付加価値です。
未経験から事務職への転職を成功させる4つのステップ
実際に転職活動を始めるにあたって、確実に内定を勝ち取るための手順を紹介します。
ステップ1:PCスキル(Excel/Word)を最低限身につける
事務職を目指すなら、最低限のPCスキルは必須です。具体的には、Excelでの「VLOOKUP関数」「ピボットテーブル」程度まで使えると、未経験でも「教える手間が省ける」と判断され、一気に有利になります。MOSなどの資格を取得することも、意欲を証明する有効な手段です。
ステップ2:「なぜ事務なのか」の動機を言語化する
単に「営業が辛かったから」という逃げの理由ではなく、「営業職を経験したことで、自分は人を最前線でリードするよりも、後方から支え、組織の効率を上げる仕事に適性があると確信した」といった、前向きなストーリーを構築しましょう。
ステップ3:ターゲットを「一般事務」以外にも広げる
「一般事務」は最も倍率が高いため、あえて専門性の高い事務職を狙うのも戦略です。
- 営業事務: 営業のアシスタント業務。営業経験が最も直接的に活かせます。
- 経理事務: 数字に強い人向け。資格取得と合わせれば専門職への道が開けます。
- 人事・労務事務: 人と関わることが好きな人向け。
ステップ4:転職エージェントをフル活用する
未経験からのキャリアチェンジは、一人で行うと「不採用通知」の嵐に心が折れがちです。20代・第二新卒に強いエージェントに登録し、営業経験を事務職向けにどう「翻訳」してアピールすべきか、プロの添削を受けましょう。
事務職へ転職した後の「現実」を知っておこう
憧れの事務職に就いた後、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、あらかじめ知っておくべきデメリットもあります。
- 給料の減少: インセンティブ(歩合給)がなくなるため、額面上の年収は下がるケースが多いです。
- ルーチンワークの多さ: 毎日同じことの繰り返しが苦痛に感じるタイプの人には、事務職は逆にストレスになります。
- 評価の見えづらさ: 数字で結果が出る営業と違い、事務職は「ミスがないのが当たり前」の世界。減点方式で評価されることが多く、達成感を得にくい面があります。
これらを理解した上で、「それでもデスクワークでコツコツと組織を支えたい」と思えるなら、事務職はあなたにとって最高の居場所になるでしょう。
まとめ:20代は「適職」を探すための黄金期間
「営業が向いてない」と気づいた今のあなたは、ようやく自分の人生のハンドルを握り始めたところです。20代のうちに自分に合わない環境を離れ、新しい職種に挑戦することは、決して逃げではなく「攻めの決断」です。
営業で磨かれたあなたの対人スキルや数字への意識は、事務職という新しいフィールドで必ず光り輝きます。
まずは、自分の持っているExcelスキルを棚卸しすることから始めてみませんか?
また、未経験からの事務職求人が今どれくらいあるのか、転職サイトで一度チェックしてみるだけでも、新しい未来への第一歩になります。

