「今の会社で自分なりに頑張ってきたつもりだけど、外の世界に出たらどれくらい通用するんだろう?」 「転職して年収を上げたいけれど、自分の相場が分からないから足元を見られないか不安だ」
20代・30代の若手社員にとって、「自分の市場価値」を把握することは、キャリアの舵取りをする上で最も重要な作業です。しかし、会社の中での評価(社内価値)と、労働市場全体での評価(市場価値)は必ずしも一致しません。
この記事では、自分の市場価値を客観的に導き出す具体的な調べ方、市場価値を決める3つの要素、そして価値を劇的に高めるための戦略を徹底的に解説します。
市場価値とは何か?20代・30代が勘違いしやすいポイント
まず、市場価値の定義を明確にしておきましょう。市場価値とは、一言で言えば「他の企業があなたに提示する年収(対価)」のことです。
ここで注意したいのは、以下の2点です。
- 「人間としての価値」ではない: あなたの人格や真面目さではなく、あくまで「ビジネス上の課題を解決できる能力」への値札です。
- 「社内評価」とは別物: 「社内独自のシステムに詳しい」「社内政治がうまい」といったスキルは、一歩外に出れば価値がゼロになることもあります。
20代・30代は、「汎用性のあるスキル」と「実績」が、労働市場でどう評価されるかを軸に考える必要があります。
自分の市場価値を調べる4つの具体的ステップ
具体的にどうやって調べればいいのか。精度の低いものから高いものへ、順を追って解説します。
ステップ1:年収診断シミュレーターで「目安」を知る
まずは、ビッグデータを利用した簡易的な診断ツールを使ってみましょう。
- ミイダス: 自分の経歴を入力するだけで、自分に似た経歴の人の年収実績から「想定年収」を算出。
- doda年収査定: 膨大な転職成功データに基づき、あなたの適正年収を算出。
これらは数分で終わりますが、あくまで「統計的な目安」です。個別のスキルや人間性は加味されないため、参考程度に留めましょう。
ステップ2:スカウトサービスで「企業の本気度」を測る
「ビズリーチ」や「リクルートダイレクトスカウト」などの登録型サービスに職務経歴書を詳しく記入し、放置してみます。
- どのレベルの企業からスカウトが来るか?
- 提示される年収帯はどれくらいか?
- 「面接確定」や「役員面談」など、どの程度の熱量で誘われるか?
「実際に企業があなたに声をかけてくる」という事実は、最も信頼できる市場価値の証拠になります。
ステップ3:求人票を読み込み「相場観」を養う
転職サイト(リクナビNEXTなど)で、自分と同等のスキル・経験を求める求人を50件ほどピックアップし、以下の項目を比較表にしてみましょう。
| 項目 | 確認ポイント |
| 必須条件 | 自分の持っているスキルが「必須」になっているか? |
| 想定年収 | 上限と下限の幅はどれくらいか? |
| 役職 | リーダー候補なのか、メンバー層なのか? |
これを繰り返すと、「自分のスキルセットなら年収500万〜550万が妥当だ」という相場観が肌感覚で分かってきます。
ステップ4:転職エージェントに「客観的な値付け」をしてもらう
最も精度が高いのは、プロのキャリアアドバイザーに直接聞くことです。「今の私の経歴で、年収600万円の企業へ転職できますか?」とストレートに聞いてみてください。
良質なエージェントであれば、「今のままだと〇〇の経験が足りないので難しいが、この業界なら可能性があります」といった、市場のリアルな反応を教えてくれます。
市場価値を決定づける「3つの要素」
市場価値は、単なるスキルの掛け算ではありません。以下の3要素が複雑に絡み合っています。
- スキル・実績(Can): 何ができるか、どんな結果を出したか。
- 業界・職種の成長性(Context): 伸びている業界にいるか。需要過多の職種か。
- パーソナリティ(Will/Fit): 20代なら特に重視される、ポテンシャルや社風への適合性。
特に20代・30代において重要なのは、「どの山(業界・職種)に登っているか」です。衰退産業でどれほど努力しても市場価値は上がりづらく、成長産業(IT、DX、SaaSなど)に身を置くだけで、市場価値が底上げされる傾向にあります。
「市場価値が低い」と診断された時の処方箋
もし、調べた結果が今の年収より低かったり、スカウトが全く来なかったりしても、絶望する必要はありません。市場価値は今日から戦略的に作ることができます。
- 「掛け合わせ」で希少性を出す: 「営業 × 英語」や「人事 × データ分析」など、1つの分野でトップになれなくても、2つを掛け合わせることで、市場に数少ない人材になれます。
- 実績を「数字」で語れるようにする: 「頑張りました」ではなく、「業務フローを改善し、月30時間の残業を削減した」といった定量的な実績を、今の仕事の中で1つでも作りましょう。
- ポータブルスキルを意識する: どこに行っても通用する力(論理的思考力、交渉力、プロジェクト管理能力など)を、日常の業務で意識的に鍛えます。
【注意】市場価値を調べる際にやってはいけないこと
- 今の会社の給料=自分の価値だと思い込む: 会社が利益を出しすぎている、あるいは搾取しているだけで、あなたの価値とは無関係なケースが多々あります。
- 一つの診断結果に一喜一憂する: ツールによって算出ロジックはバラバラです。複数の手法を組み合わせて「平均値」を見るようにしましょう。
- 現職の不満を市場価値に転嫁する: 「会社が評価してくれないから市場価値も低いはずだ」と卑屈にならないでください。外の世界では、今の会社が評価しないあなたの個性が、喉から手が出るほど欲しいという企業があるかもしれません。
まとめ:市場価値を知ることは、人生の自由度を上げること
自分の市場価値を正しく知ることは、決して怖いことではありません。 もし価値が高ければ、自信を持って条件交渉や転職ができます。もし低ければ、今の職場で何を積み上げるべきかの明確な目標ができます。
「いつでも辞められるし、どこでも通用する」という確信こそが、会社に依存せず、自分らしく働くための最大の武器になります。
まずは、スカウトサービスに今の職務経歴書をアップロードすることから始めてみませんか?あなたの「本当の値打ち」を知る旅は、そこから始まります。

